ゴミ屋敷の問題を地域別に分析すると、都会と地方ではその発生件数や背景に興味深い違いが見えてきます。東京や大阪といった大都市圏では、ワンルームマンションなどの集合住宅におけるゴミ屋敷の数が圧倒的に多いのが特徴です。都会のゴミ屋敷は、隣人との交流がほとんどないため、異臭や害虫が発生するまで周囲に気づかれにくく、発覚した時には室内のゴミが天井まで達しているような末期的な状態であることも珍しくありません。また、夜勤や不規則な生活を送る若年層のゴミ屋敷化も、都会特有の現象として顕在化しています。一方、地方都市や農村部においては、広い敷地を持つ一軒家が丸ごとゴミ屋敷化するケースが目立ちます。地方の場合、空き家の急増がゴミ屋敷の数を押し上げる要因となっており、相続したものの管理しきれなくなった実家に、不法投棄も含めた大量のゴミが蓄積していくというパターンが頻発しています。地方では、近隣の目が届きやすいため早期に問題化しますが、家族間のしがらみや世間体といった複雑な人間関係が、解決を遅らせる原因になることも少なくありません。また、地方におけるゴミ屋敷は、野良猫の繁殖や不衛生な害獣の発生など、自然環境を巻き込んだトラブルに発展しやすい傾向にあります。自治体が把握しているゴミ屋敷の数を人口比で比較すると、意外にも地方都市の方が高い割合を示すこともあり、これは高齢化率の高さと比例していると考えられます。都会では「孤独」がゴミを呼び、地方では「過疎と崩壊」がゴミを溜め込む。発生のメカニズムは異なりますが、どちらも現代日本の地域社会が持っていた自浄作用が失われていることを示しています。ゴミ屋敷の解決策も、都会であればプライバシーに配慮した専門業者の迅速な介入が有効であり、地方であれば親族や地域コミュニティを巻き込んだ粘り強い対話が必要です。それぞれの地域の特性に合わせた「数の減らし方」を模索することが、日本全体の住環境を改善するための鍵となるでしょう。