喘息の持病がある人が、自身のゴミ屋敷化した部屋を清掃しようとする際、あるいは家族が喘息患者の部屋を片付ける際には、細心の注意が必要です。清掃作業は、長年蓄積されたハウスダストやカビの胞子、ダニの死骸を一気に舞い上がらせる「アレルゲンの爆発」を引き起こすからです。準備なしにゴミの山を動かすことは、喘息発作を誘発し、最悪の場合は命に関わる緊急事態を招く恐れがあります。まず、清掃を開始する前に、必ず医療用の高性能マスク、できればN九五規格のものを着用してください。一般的な不織布マスクでは、微細なカビの胞子やダニの糞を防ぎきることができません。また、目を保護するためのゴーグルや、皮膚にアレルゲンが付着するのを防ぐための防護服や長袖長ズボンの着用も推奨されます。清掃中は常に窓を全開にし、サーキュレーターや換気扇を併用して空気の通り道を確保することが不可欠ですが、風を直接ゴミの山に当ててはいけません。埃が舞い上がらないよう、霧吹きで水を撒きながら作業を進めるのも一つの有効な手段です。また、喘息患者本人が作業を行うのは極めて危険であるため、可能な限り外部の力を借りるべきです。自分で行わなければならない場合でも、十五分作業したら必ず屋外へ出て深呼吸をするなど、肺への負担を最小限に抑える工夫が必要です。掃除機を使用する際は、排気が綺麗なHEPAフィルター搭載のものを選び、古い掃除機で埃を再循環させないように注意してください。清掃後の部屋には大量の微細粒子が浮遊しているため、作業完了後も数時間は空気清浄機を最大で稼働させ続け、自分自身もすぐにシャワーを浴びて付着したアレルゲンを洗い流す必要があります。彼らは防護装備を完備し、アレルゲンを飛散させないノウハウを持っています。お金はかかりますが、喘息という重い病を抱えながら、命の危険を冒してまでゴミと対峙するリスクを考えれば、決して高い投資ではありません。清潔な空気を確保することが、喘息治療の何よりの土台となるのです。