ゴミ屋敷のリフォームが完了し、見違えるほどきれいになった部屋を前にして、多くの人が安心感からある重大な盲点を見落としてしまいます。それは、建物の「インフラ部分」の劣化です。ゴミ屋敷の中では、山積みの不用品に阻まれて、長年エアコンの清掃やコンセントの状態確認が行われていません。特に、埃が詰まったまま放置されたエアコン内部には、喘息やアレルギーを引き起こす強力なカビが繁殖しており、リフォーム後にそのまま稼働させると、きれいになった部屋中に汚染された空気が拡散されます。内装のリフォームと同時に、エアコンの完全分解洗浄、あるいは最新モデルへの交換をセットで行うことが、健康な生活を守るために不可欠です。また、電気系統にも注意が必要です。ゴミの下を這っていた電気コードがネズミにかじられていたり、湿気でコンセントにトラッキング現象の兆候があったりする場合があり、これらを放置すればリフォーム直後に火災を招く恐れがあります。さらに、ゴミ屋敷の住人は郵便物や重要書類を紛失していることが多く、リフォームの過程でそれらを誤って廃棄してしまわないよう、解体前の慎重な遺品整理が求められます。外壁や屋根の状態も盲点となりやすい部分です。室内ばかりに目を奪われがちですが、ゴミ屋敷の周辺は草木が茂り放題で、湿気が外壁を傷めていることが多く、外部からの浸水がリフォーム後の内装を再び台無しにするリスクがあります。さらに精神的な盲点として、リバウンドの危険性が挙げられます。どんなにきれいな家になっても、住人の「物を溜め込む心理」が改善されていなければ、数年後には元の状態に戻ってしまいます。また、ゴミ屋敷の住人はセルフネグレクトに陥っていることも多く、服薬管理がずさんになりがちですが、これも喘息死を招く大きな要因です。喘息は現代の医療で十分にコントロール可能な病気ですが、それはあくまで清潔な環境と適切な自己管理という土台があってのことです。リフォームの設計段階で、あえて収納スペースを増やしすぎず、物の定位置が明確になるような「見える化」された収納を取り入れるなど、行動心理学に基づいた工夫が、リフォーム後の生活を永続的に支える鍵となるのです。