持ち家であれ賃貸物件であれ、ゴミ屋敷化させることは不動産としての価値を致命的に損なう行為です。長期間にわたってゴミが放置された室内では、ゴミから染み出した水分や腐敗液が床材を腐らせ、基礎部分にまでダメージを与えることがあります。特に木造住宅の場合、湿気によってシロアリが発生し、構造自体が脆弱になるリスクも孕んでいます。また、壁紙や建具には強烈な臭いが染み付き、通常の清掃では到底取り除くことができません。このような物件を売却しようとしても、買い手が付かないか、極端な買い叩きに遭うのが関の山です。賃貸物件の場合はさらに深刻で、退去時に多額の原状回復費用を請求されることになります。敷金だけで賄えるレベルを遥かに超え、数百万円単位の賠償を求められることも少なくありません。さらに、ゴミ屋敷の状態が長く続いた物件は、事故物件に近い扱いを受けることもあり、近隣の不動産相場にまで悪影響を与えるとして、近隣住民から訴訟を起こされるリスクさえあります。住まいは本来、大切な資産であり財産ですが、ゴミ屋敷化はその価値を自ら破壊し、将来的に得られるはずだった利益を放棄するだけでなく、負債へと変えてしまう行為なのです。メンテナンスを怠った代償は、後になってあまりにも大きな金額となって返ってきます。なぜゴミ屋敷になってしまうのかという背景には、単なる怠慢ではない複雑な要因が絡み合っています。発達障害や認知症、精神疾患などが原因で、物の要不要を判断したり、順序立てて作業を行ったりする能力が低下しているケースが多く見られます。このような場合、本人に「片付けなさい」と叱責しても逆効果であり、事態はさらに悪化します。しかし、原因が何であれ、ゴミに囲まれた生活がデメリットしか生み出さないという事実は変わりません。身体的な健康を損なえば、さらに片付けの体力は失われます。精神的に追い詰められれば、助けを呼ぶ判断力も失われます。この相互に影響し合う心身の悪循環を断ち切るには、まず現状が非常に危険な状態にあるという認識を持つことが不可欠です。デメリットを具体的に把握することは、改善への第一歩となります。
資産価値を損なうゴミ屋敷の厳しい現実と修繕負担